こんにちは! 和田です(^◇^)
光と風を感じながら緑と絵画を楽しむ家
今回、ご紹介するのは、美術館のようなギャラリーのある家です。
構造規模:木造・2階建 敷地面積:164.44㎡(49.74坪) 1階面積:55.89㎡(16.91坪) 2階面積:52.58㎡(15.90坪) 延床面積:108.47㎡(32.81坪) 建築家:三原宏文 R+house佐世保北/鳥栖
生活スペース以外の場所がゆとりのある日常を生む
「第一印象を決める玄関を、リビングよりも重視しました」と話す建主のFさん。「玄関は生活感を排除しやすい場所なので、スタイリッシュな"家の顔"にしたいと思ったんです」。階段室と一体になった広いホールは開放的で、たくさんの観葉植物がいきいきと葉を広げています。午前中は大窓から光がたっぷりと入り、温室のような雰囲気に。南側に3階建てのビルが建つ密集地でもこんなに気持ちのいい空間ができたのは、抜けのある東側に大開口部を設けたプランニングの成果。建築家・三原宏文さんの設計力が遺憾なく発揮されました。さらに三原さんは「室内に木を植えてみませんか」と提案。Fさんは驚きつつも柔軟に歓迎し、床をくり抜いて植栽スペースをつくるというユニークな試みが実現しました。この家のキーワードである「美術館」は、Fさんの美意識や「画家である父の絵を飾るスペースがほしい」という要望から生まれたもの。生活の匂いを感じさせないクールな外観や、見応えのある玄関ホールの空間性、2階のギャラリースペースなどに、キーワードを踏まえた意匠が盛り込まれています。玄関やギャラリーにゆとりを持たせる一方、「生活の場はシンプルで機能的に」というFさんの考えから、LDKは15畳に効率よくまとめられました。テーブル一体型のスマートなキッチンは使い勝手もよく、大型のソファを置くゆとりもあります。ほかにも、寝室にバスルームが付属するホテルライクな個室など、隅々まで住み手のライフスタイルと理想が詰め込まれた住まい。帰宅するたびに「この家を建ててよかった」と実感するFさんです。玄関に入ると植物が並ぶ明るい吹き抜け空間が現れる。靴収納はフロートタイプにして、足元を軽やかに広く見せている。階段下の空間も玄関の広がりの一部として感じられる。
緑が生き生きと育つ明るい空間に
3階建てのビルが建つ南側は閉じ、唯一抜けのある敷地の東角に大きな開口部を設けて光を取り入れている。生活の場ではないことから、この窓にはカーテンやスクリーンを付けず、解放感を存分に楽しんでいる。前の住まいで育てていた植物は、ここに引っ越してから生育がよくなったとか。「毎朝、明るい光の中で元気に育っている様子を感じると仕事も頑張れます」とFさん。階段下にも大ぶりの植物を置いて、空間の広がりを味わう。
美術館がテーマの家づくり
交通量の多い道路に面しているので、窓はルーバーで覆い、玄関も見えないように壁を立てた。生活の匂いや人の気配が排除されたクールな印象で、幾何学的なデザインが美術館やギャラリーを思わせる。片流れの屋根形はデザイン性だけではなく、太陽光電池パネルを載せるのにほどよい勾配になっている。家具も白でまとめられたFさんの寝室。照明器具や家電類にもこだわり、気に入ったものに囲まれる生活を楽しんでいる。階段ホールを拡大したギャラリースペース。ピクチャーレールやスポットライトなど、本格的な設備を備えた。
シンプルで機能的なLDK
キッチンハウスのテーブル一体型キッチンをメインにしたLDK。機能も充実しているが無駄がなく、部屋を広く使うことができる。背面収納はイケアで購入し、オーク材の面材をオリジナルで制作した。
キッチンは調理や食事だけでなく、書斎などとしてもマルチに活用。テレビボードは造り付けで、足元を浮かしたデザイン。夜の雰囲気も楽しめるよう、間接照明を組み込んだ。